うま藻 × プロフェッショナル
美味しさを繋ぐ現場へ
私たちは日々、うま藻を通じてプロフェッショナルの皆様と出会います。
業態は違えど「美味しい」が続いていく未来を目指していることには変わりません。
そんな彼 / 彼女らが見ている世界を対談形式でご紹介します。
美味しさを繋ぐ現場へ 第二回対談
nuit シェフ 渡辺郁也 氏
うま藻ジャーナル、第二回は中目黒の人気隠れ家フレンチ「nuit」の渡辺シェフ。
27歳ながら人気店の食事を切り盛りする気鋭の若手シェフに、
第二回目のインタビューを受けていただきました。
プロフィール
nuit / 渡辺 郁也 シェフ
1996年、群馬生まれ群馬育ち。高校時代のテニスクラブ合宿にて、OBが振る舞う料理に刺激を受け料理の道へ。外苑前のイタリアンレストランで3年、二子玉川のフレンチレストランで1年経験を積んだ後、フレンチビストロ「nuit」のシェフとしてカウンターに立つ才気あふれる若手シェフ。ベーシックをしっかりと押さえ、シンプルながらも華やかな優しさを感じさせる一皿に加え、ゲストの気持ちに寄りそう細やかな提案と、会話のキャッチボールも魅力。
— どのような選択を重ねて料理人・渡辺郁也がありますか?
渡辺 郁也(以下 渡辺): 子どもの頃、学校から帰宅後の1番の楽しみが夕飯の時間でした。夕飯の準備をする母の食材を刻む音、それを待っている時間に「幸せ」を感じていたと思います。その後、小学校高学年から料理を手伝うようになり、僕自身も料理を作ることが段々と好きになっていきました。
本格的に料理人を意識したのは高校生の時。シェフになっていた部活のOBが、合宿にてお料理を振る舞って下さった際に、プロの料理人という職業を初めて身近に感じました。これまでは、料理人の敷居は高く、とても厳しい世界というイメージを勝手に持っていましたが、歳の近い先輩が出してくれる料理を間近で見たおかげで、自分もやってみようかなと思うようになり、料理の道へ飛び込むことを決意しました。
— nuitのカウンターで料理を作る渡辺シェフは、とてもイキイキしていて、私たちも胸が高鳴る思いになります。料理人として特にやりがいを感じる瞬間は、どのような時ですか?
渡辺 : お客様が料理を美味しそうに食べている時の表情を見ると嬉しくなりますし、作りたいレシピの形が見えた時はとてもワクワクします。
レシピを作るのがとても好きで、インスピレーションが湧いてきた時は「早く作りたい!」と、いても立ってもいられない時があります。「この食材とこの食材・・・」と頭の中でレシピを組み立て始めると、お客様の前でも妄想が止まりません。笑
— 今の若手料理人から見た食の現状や、食の課題はどのように見えていますか?
渡辺 : 最初に料理人として働いたお店は、母体がオーガニック農業の会社で、農家さんと直接やりとりをすることが多い職場でした。それもあって、仕入れの際に形が悪かったり、ほんの少し虫食いがあるだけで、多くの野菜が破棄されている現状を知りました。
一般の消費者の立場から見ると、ちょっとでも形が悪いと美味しそうに見えない。選ばれない野菜だから、手間をかけて売るよりも、廃棄した方が楽という気持ちも分かります。しかし、だからこそ僕たち飲食店など食材を加工する立場のところが、そういう規格外品などを積極的に使っていくことが大事なのかなと思っています。
今後も、廃棄される食材をどう減らしていけるか…
食に関わるものとしての役割だと思っています。
— 廃棄されている食材をどう減らしていくか。食材を担う料理人として心掛けていることはありますか?
渡辺 : 以前働いていた二子玉川のフレンチレストランの話ですが、そこの先輩シェフは少しだけ出る野菜の端材などを捨てようとすると、烈火の如く怒っていました。当時の僕は「なぜそんなに怒っているのだろう?面倒だから捨てないようにしておこう」ぐらいの意識しか持っていませんでしたが・・・。
今となっては、その先輩シェフは良いことを教えてくれていたと思っています。あの時言われた言葉が、意識はしないでも身体に染み付いていて、端材はソースやペーストにしたり、賄いに使用したりと大切に美味しく活用しています。
— その食の現状や課題を踏まえて、「うま藻」は渡辺さんにとってどのような食材に見えていますか?
渡辺 : 「うま藻」は美味しいから使い始めた、それが1番最初の理由です。しかし、お客様に説明していく過程で自分自身も学ばせていただき、うま藻という食材が海の豊かさを繋げていくことがよくわかりました。
私は元々サステナブルに、関心が強かった訳ではありません。しかし「うま藻」という食材を使っているうちに、食の持続可能性について無意識に考える様になりました。うま藻以外にも、ベジタリアンの方などが摂る大豆関連商品や、コオロギなどの昆虫食はもちろん知っています。
しかし、試してみましたが大体はあまり美味しくない。一方、うま藻は土台が美味しく、その上に植物性とサステナブルが乗っている。だからこそ、今まで僕みたいな持続可能性にあまり興味がない人が、知らないうちに持続可能な世界を作ることに貢献出来ていると思っています。
美味しくて結果的にサステナブル、めちゃくちゃすごくないですか?
— 最後に、今回の「nuit流フレンチで魅せる海のトリュフうま藻の会」に託した思いをよろしくお願いします。
渡辺 : まずは、nuitをファンとして訪れてくれているAlgaleX森さんへ、イベントをするきっかけを作ってくださりありがとうございました。その恩返しも込めて一緒に「うま藻」を広げることができればという思いで取り組みました。nuit初のイベントへの試みであり、いつも以上に責任感と不安はありました。一つの食材にフォーカスし、構成やテーマを考え、多くの人と関わり作品をつくり上げる。当日はプレッシャーもありましたが、参加いただいたお客様に、お料理はもちろんのこと「うま藻」という存在に興味を持って頂けたので、大成功だったと思います。
料理に関しては「うま藻」が新しい食材のため、これから手にする人たちがどう使えば良いかをイメージに繋げることが目標でした。うま藻は、かけるだけで十分美味しいのですが、マヨネーズにしたり、クスクスを炊くときに合わせたり、クリーム系やバターと合わせてソースにしたり…様々な使い方をすることによって、うま藻の可能性を広げられるようにコース内容を考えました。これまでもお店のメニューでうま藻を使った料理は提供していますが、よりうま藻と向き合ったことで今後の新メニューに繋げていきたいと思います。
イベント当日はコース料理の物語ごとに、ワインソムリエによって厳選されたワインにてペアリングも楽しんでいただきました。木曜日の夜とは思えないほど賑やかで楽しい時間となり、ご参加いただいた皆様も楽しんでいただけたと思います。
AlgaleXのみなさんと一丸となりチームとしてつくり上げたイベントだったため、直接お客様の笑顔と喜びの声を共有できたことが有意義で、nuitとしても積極的に今後もイベントをやっていきたいと思えるような体験となりました。今回はこのような機会をくださりありがとうございました。
nuit×うま藻
nuit流フレンチで魅せる海のトリュフ 「うま藻」の会
2023年11月30日(木)
中目黒の隠れ家フレンチ「nuit」にてうま藻コラボイベントを実施いたしました。題して“nuit流フレンチで魅せる 海のトリュフ「うま藻」の会”。うま藻が持つ食材としての濃厚な旨味や香りはもちろんのこと、豊富なDHAをはじめとした健康機能、海を守るというサステナブルな思いをnuit流フレンチに託したお料理の数々で表現していただきました。
お品書き
● ピぺラードのタルト
● うま藻のフラン
● ガルグイユ
● クスクスと舞茸のロースト 茸の泡
● 鰆のポワレ
● 甲州ワインビーフのロースト
● チーズケーキ